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2016年度個人所得税確定申告に関するガイダンス

最近、ハノイ市、ハイフォン市、ダナン市、アンザン省など多くの税務局から2016年度の個人所得税確定申告に関するガイダンスが発行されています。ベトナム人および外国人の個人所得税確定申告手続きに際して、皆様のお役に立てて頂けるように、弊社Grant Thornton Vietnamにて、これらガイダンスから主要な事項を以下の通りまとめましたので、参照して頂ければ幸いです。

1. 個人所得税の確定申告義務を持つ対象者とは?

給与所得を得る居住者で、追加納税額が発生する個人、または、過納額があり還付または翌期の納税額との相殺を必要とする個人。

給与所得に対する個人所得税申告義務を持つ給与支払い機関(会社、駐在員事務所、支店など)は、源泉徴収発生の有無に関わらず、個人所得税の確定申告義務、および、委任を受けた個人に代わる個人所得税の確定申告義務を負います。所得支払いが発生しなかった機関・個人の場合には、個人所得税の確定申告をする必要はありません。

2. 個人所得税確定申告書の提出期限はいつか?

追加納税額が発生する場合:確定申告書類の提出期限および納税期限は2017年3月31日です。
過納額があり還付申請をする場合:年度中いつでも(2017年3月31日以降も)提出可能で、罰則を受けることはありません。従って、3月下旬に書類を提出するのは避けるのが無難です。

3. 個人が自分で確定申告をするのか、または、会社に確定申告を委任できるのか?

  • 基本的には、1ヶ所の所得支払い機関・個人と3ヶ月以上の労働契約を締結して給与所得を得ている個人で、確定申告の委任をする時点で当該機関・個人で実際に働いている個人については、会社は個人からの委任を受けて確定申告をすることができます。年間の勤務期間が12ヶ月未満の場合も確定申告の委任を受けることが可能ですし、月平均10百万VNDを超えない一時的所得があり、当該一時的所得の支払い者が10%の源泉徴収をしていて、当該一時的所得についての確定申告を要請しない場合にも確定申告の委任を受けることができます。
  • 会社へ確定申告の委任をするためには、個人は、2015年6月15日付け財政省 Circular 92/2015/TT-BTC により発行されている様式 02/UQ-QTT-TNCN に基づく会社への委任状を提出する必要があります。
  • 会社への確定申告の委任をする労働者が多い場合には、委任をする個人のリストを作成して、様式 02/UQ-QTT-TNCN の内容を漏れなく記載することも可能です。この場合、当該リストに記載したデータ、内容に関する正確性、真実性を誓約して、法令の下に責任を負います。
  • ベトナム居住者となる外国人で、外国での所得とベトナムでの所得がある場合には、年間に発生した全所得について、税務当局に対して直接に確定申告します。
  • ベトナムでの勤務契約を終了する外国人の居住者の場合には、出国前に、税務当局に対して確定申告をします。

4. 税務コード発行に関連する情報(IDカード、および、出生届上の情報など)の変更手続き

税務コード発行に関連する情報(IDカード、および、出生届上の情報など)に変更がある場合には、会社は、個人の扶養親族届出様式 20/DK-TCT(2016年6月28日付け財政省 Circular 95/2016/TT-BTC による)を取りまとめて、管轄税務当局へ提出します(税務当局は、税務管理システム上で扶養親族毎の変更情報を更新します)。

5. 個人所得税確定申告の際に留意すべき事項

  • 税額計算で先ず留意すべきことは?
    • 当該個人がベトナム居住者に該当するのかベトナム非居住者に該当するかの判断が必要です。
    • 当該個人が年間に受取った給与所得の源泉がいくつあったのかを確認する必要があります。
  • ベトナム居住者に該当する個人の給与所得に対する所得控除:
    • 人的控除:年間108百万VNDの基礎控除、および、年間一人当たり43.2百万VNDの扶養控除。
    • 社会保険料、健康保険料、失業保険料、強制保険への加入を義務付けられる特定の職業における職業責任保険料、および、任意年金保険料(年間12百万VNDまで)の控除。
    • 特定の条件を満たす機関を通じた慈善、人道、奨学を趣旨とする寄付金の控除。
  • 外貨建て所得のベトナムドンへの換算レート:
    • 所得が発生した時点での取引口座を開設している銀行の実際の買いレートを使用します。
    • 当該個人がベトナムに取引口座を開設していない場合は、所得が発生した時点でのベトコンバンク(Vietcombank)の買いレートに基づいてベトナムドンへの換算を行います。
  • 非課税所得としては例えば以下のようなものがあります:
    • 海外赴任するベトナム人、海外で長期勤務してベトナムへ帰任するベトナム人に対する引越し手当。
    • 会社が負担する従業員のための掛捨て型任意保険の保険料。
    • 会社規定に基づく自宅と会社の間の送迎車代。
    • 会社規定に基づく、本人への結婚祝い、家族への香典。但し、法人所得税法上の損金算入上限額を上限とする
  • 税抜き所得から課税所得への換算:
    • 税抜き所得(ネット)から課税所得への換算前所得は、実際に受取った所得(非課税所得を除く)に、会社から支給される現物給与(ある場合)を加えて、所得控除額を控除して計算します。
    • 会社が、「見なし税額」や「見なし家賃」の方針を採用している場合、課税所得への換算前所得には、「見なし税額」や「見なし家賃」は含めません。
  • 外国での納税額はベトナムでの納税額から控除可能か?
    • 外国での所得に対して当該国との租税条約に基づく当該国での納税義務が発生する場合には、外国での納税額をベトナムでの納税額から控除することが可能です。
    • 個人は、外国での納税額を証明する証憑の写しを提出する必要があります。当該国の法令の規定によって、当該国の税務当局が納税額確認書を発行しない場合には、会社が発行する源泉徴収票(何の所得税申告書による納税額かを明記したもの)の写し、または、外国での納税額に対する銀行証憑の写しに個人の確認署名をしたものを提出することができます。