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Tax Newsletter

Newsletter 税務、労務監査、移転価格、税関、および、投資に関する最新情報

今月の弊社 Grant Thornton Vietnam のニュースレターでは、監査、移転価格、税関、および、投資に関する最新情報をご案内申し上げます。

1. 監査済み財務諸表、確定申告書、および、税関報告書の提出期限

2016年12月31日で会計年度を終了した会社は、財務諸表や確定申告書を2017年3月31日中に提出する必要があります。

  • 監査済み財務諸表。独立会計支店を持つ会社は、支店の監査済み財務諸表も必要になりますのでご留意下さい。
  • 法人所得税確定申告書。必要な付属書類も漏れなく添付して下さい。
  • 関連者間取引開示申告書03-7/TNDN。
  • 2016年度個人所得税確定申告書。

上記確定申告書の提出が遅れますと、租税行政手続き違反、申告書提出遅延に対する罰金が課せられますが、更に、財務諸表に対する法定監査の義務がある場合には、監査報告書を添付せずに財務諸表を管轄当局へ提出しますと、20百万VNDから30百万VNDの罰金対象にもなります。

その他、輸入関税の免税品目リストを届出している場合には、会計年度終了日から90日以内に、免税品目リストを届出した税関当局に対して、年度中の免税輸入品目使用状況の報告を行う義務があることにご留意下さい。

監査報告書、各種税務申告書の作成やレビュー、関連者間取引における価格算定、また、関連する税関手続きに関わる支援をご要望される場合には、ご遠慮なく、弊社 Grant Thorntonの専門家までお問い合わせ下さい。

2. 電気電子製品の研究・図面設計サービスをグループ各社へ提供する場合の関連者間取引価格

バクニン省税務局は、(会社の一部門として)電気設備センターを持つ企業が、電気電子製品の研究・図面設計活動を行う場合のガイダンスを発行しました。自社自身の製造事業活動のために使用される電気電子製品の研究・図面設計製品 (i)、および、外国に所在する各グループ会社が使用するために提供する電気電子製品の研究・図面設計製品 (ii) については、以下の通りです。

  • 外国に所在する各グループ会社が使用するために提供する電気電子製品の研究・図面設計活動 (ii) は、輸出加工企業(EPE)が外国へ販売するサービス提供活動です。
  • (ii) から得る収入は、同社によるサービス提供の売上です。同社によるグループ各社への (ii) のサービス提供は、関連者間取引に該当しますので、(ii) の取引に関わる課税所得は、規定に従い、Circular 66/2010/TT-BTCに基づいて算定する必要があります。

関連者間取引における価格算定、移転価格税制遵守に関する支援やアドバイスをご要望される場合には、ご遠慮なく、弊社 Grant Thorntonの専門家までお問い合わせ下さい。

3. 2017年1月1日からの営業許可手数料(旧営業許可税)の納付額変更および納付義務対象者・免除対象者の追加

新しい規定によれば、2017年1月1日以降、営業許可税が営業許可手数料に呼称変更されます。営業許可手数料の金額は、事業組織に対しては2区分、個人事業主に対しては3区分となり簡素化されています。具体的には、以下の通りです。

  • 定款資本または投資資本が100億VND超の製造、商品販売、サービス活動を行う機関に対しては年間3百万VNDで、100億VND以下の場合は年間2百万VNDです。
  • 支店、駐在員事務所、事業所、事業機関、その他経済機関に対する営業許可手数料は、年間1百万VNDです。
  • 機関に対する営業許可手数料の金額は、事業登録証明書に記載された定款資本に基づきます。定款資本がない場合は、投資登録証明書に記載された投資資本に基づきます。

2017年の営業許可手数料(営業許可税)納付期限は2017年1月30日です。新規設立会社の場合の期限は、営業を開始した月の月末、まだ営業を開始していない新規設立会社の場合は、事業登録証明書の発行日、または、投資登録証明書の発行日および税務登録日から30日以内になります。但し、2017年1月下旬からテト(旧正月)休暇に入りますので、その前に納付しておくことをおすすめ致します。

営業許可手数料の納付義務を漏れなく履行するために、自社の事業所、支店、駐在員事務所を再確認されるのが良いかもしれません。

4. 低所得誓約書へ記入する総所得額に関するガイダンス(様式 02/CK-TNCN)

現行の規定によれば、低所得誓約書は、労働契約を締結していない、または、3ヶ月未満の期間での労働契約を締結しているベトナム居住者の個人に対して、所得支払いを受ける際に暫定的な源泉徴収の免除を受けるために適用されます。

ハノイ市税務局のガイダンスによれば、所得を得る個人が、Circular 92/2015/TT-BTC に付属する様式 02/CK-TNCN に基づく誓約をする場合、当該金額以下であることを誓約する上限額としての総所得額は、年度内の扶養者控除額を使用して計算します。
例:

  • 誓約者に扶養親族がいない場合:申告額は、9百万VND x 12ヶ月 = 108百万VND
  • 誓約者に年度中の10ヶ月間扶養親族が1名いた場合:

            申告額 = 108百万VND + 3.6百万VND x 10ヶ=144百万VND

御社で保管されている様式 02/CK-TNCN が正確に記入されているかの再確認をされることをおすすめ致します。

5. 海外出張費用の損金算入

ホーチミン市税務局は、自社の事業活動のために従業員を海外出張させた場合のガイダンス Official Letter 10219/CT-TTHT を発行しました。これによれば、発生した費用の損金算入のための規定は以下の通りです。

  • 当該国の適切なインボイス・証憑、出張決定書、20百万VND超の費用については非現金決済証憑が揃っている出張費用(飛行機代、ホテル代、食事代)は、法人所得税の税額計算に際して損金算入が認められます。
  • 外国で発生した付加価値税額は、控除可能な仕入れVATとして申告できません。

6. 輸出製品製造用の貨物輸入で輸入関税の免税・還付が認められないケースに関するガイダンス

輸出製品の製造を行うための材料を輸入する企業の製造施設に対する調査の結果、いくつかの省・都市の税関当局では、以下の3つのケースが把握されました。

  • 自社の製造施設がなく製造活動を行っておらず、外部へ製造を委託している会社。
  • 製造施設を保有しているが、製造する製品、工場に関わる合法的な使用権を証明する書類が不備である会社。
  • 製造施設を保有しており、製造する製品、工場に関わる合法的な使用権を持つ会社。

税関総局のガイダンスによれば、自社の製造施設がなく製造活動を行っておらず、外部へ製造を委託している会社、そして、製造施設を保有しているが、製造する製品、工場に関わる合法的な使用権を証明する書類が不備である会社に対しては、輸入関税の免税・還付が認められません。

7. 2017年以降の条件付き事業投資分野リスト

国会は、2014年投資法の第6条および条件付き事業投資分野リストに関する付属書4を改正・補足する法律 Law 03/2016/QH14 を通過させました。これによれば、2017年1月1日以降は、以下の通りとなります。

  • •「爆竹の販売」は事業投資を禁じる分野へ入れられます。
  • •条件付き事業投資分野リストは、従来の268分野から243分野となります。

録音・録画・位置計測のために使用する偽装式装置・ソフトウェアの販売、および、自動車の製造・組立・輸入は、条件付き投資事業分野になりましたが、この施行については2017年7月1日からになります。

ベトナムでの会社設立または投資プロジェクト拡大に関するアドバイスを希望される投資家の皆様は、ご遠慮なく、弊社 Grant Thorntonの専門家へお問い合わせ下さい。